| house | 2015年7月15日(水)

パーンとなってふわ〜。

text_Ken Ono

ひょんなキッカケでおよそ十年過ごした事務所を出ることになった。まだ寒さが残るある日、いつも通りにドアを開けるとなんだか臭いがする。秋頃だと近くに田んぼがあるので風に乗って臭いが部屋に溜まることがあった。

だからなにげにそんな感じだろうと窓を開けようとすると、えっ、なにこれ、液体、油... なんだろうと異変にようやく気づいた。どうやらブレーカーに付属しているパーツがたいへんなことになっている。おそらくこれがパーンとなってふわ〜となったのだろう。

オーマイゴッド、おてんとさまのお告げか、これを機にここを出ようと決めた。大都会、倉敷の笹沖を離れ、新たな出発の地はいずこに... それに迷うことはなかった。

倉敷の北の端、総社との境にある「浅原」桃の生産地として有名である。ここに2年前引越してきた。築百年以上の建物で祖父母が住んでいた家だ。今は倉敷と総社を結ぶ道ができてすっかり便利になった。それでも家にたどり着こうと思うと最後は道なき道を行く感じである。

自宅が事務所となり、いまだ使うに持て余していたこの家が生きいきとしてきたように思う。思い起こせば祖父が健在の頃、こんな山のうえに仕事場とかお店とかっていいよなと直感的に思っていたことがある。それが現実のものとなるとは、原点回帰というかようやくその頃の自分に追いついたというか。

ただ、外に出るというより内にこもりがちな僕が、仕事場を兼ねるとなるとますますこもってしまいそうで気になっていた。ところが意外や意外、移動距離ほぼゼロでも今までよりも自由になれた気がする。

それは家と環境との関係が大きく影響しているように思う。家の中ではパソコンに向かっていても、思い立ったらすぐ外に出て草を刈り、木を切る。ITと自然がシームレスに存在しているのである。どうやらこれが性に合っているようだ。

ひょんなきっかけでこうなったものの今ではよかったと思える。みなさん、もしお越しになられる際はご一報を!最後は道なき道を行く感じなもので。

| life | 2015年1月19日(月)

どんどんする。

text_Ken Ono

40歳になってもうしばらくなるが、新年を迎えてそれを意識することが増えている。初詣に行けば、本厄という文字、本厄という情報が自然と入ってくる。

一番は、ワイフのおかあさんがことあるごとに本厄ほんやくと言うものだからもうすっかり頭のなかに定着してしまった。

この意識の高まりは、新生おのけんへの一歩といえるかもしれない。いいたいこととか、やりたいこととか、どんどんする。そう思えるようになったのも変化の兆しだろうか。

いままでのぼくと言ったら、内なる思考を深めて考えを尽くす、思慮があるといえば聞こえはいいが瞬発力に欠ける。確固たる自分ってものを見つけるために、ひとりでいること、ひとりになることをいとわない、つまり人付き合いがわるい。

ここ1〜2年、自分のなかでなにかが動き出している実感があった。それがこの本厄というインパクトではっきりした。新生おのけん、どんどんする。40歳ってそういうトシなんですね。