| place | 2003年12月13日(土)

みんなでガンバッテいるという緊張感がイイ。

text_Ken Ono

カフェブームも一服感が漂うこの頃ですが、それでも都市部に比べると岡山にはまだまだカフェというものが少ないように感じます。一時のカフェブームのせいか、昔は喫茶店と呼ばれていたようなところでも今では総じてカフェと呼ばれ、カフェと喫茶店の境目はどこにあるのかわからない状態。犬も歩けばカフェにあたるぐらいお店が増えた現在、お店はあってもコレだと思う当たりカフェになかなか巡り会わないものです。男女の仲において、チャンスはあってもイイ出会いがないというのもよく聞く話。お店も人間関係と同様に出会いが大切ってことですね。
僕の出会いのひとつに大阪箕面の「Mother Moon Cafe」というカフェがあります。以前、その付近に住んでいたのでしばしば足を運んでいました。久しぶりに訪れる機会があり行ってみると相変わらずの大人気ぶり。席に着くのにしばらくかかるぐらい。でも不思議なんです。この場所にこんなに人が集まっていることが。車がないと不便なくらい最寄り駅からは離れてるし、これといったステキなお店が集まってるふうでもない。それでもどこからともなく人が集まってくるんです。
このカフェのいいところはなんといっても「空気」。雰囲気がいいんです。まず、そこのスタッフのみなさんがガンバッテおしゃれしてる。スローという名のもとにダラダラとなりがちなカフェ的接客にもピリリと辛い部分がありこれまた好印象。そして、そこに集まるお客もまたオシャレさん揃い。周辺と比べるとここだけ妙にガンバッテる。ここに集まる人はスタッフであれお客であれ、とりあえずガンバロウやという暗黙の了解があるように感じる。このお互いの微妙な緊張感が居心地の良さを生んでいるのでしょう。
ぬるくなりがちな日常生活....普段からガンバッテいかなきゃと身の引き締まる思いでした。

| product | 2003年12月2日(火)

かしこまらず音楽を聴くことができるCDプレーヤー。

text_Ken Ono

仕事をする、勉強をする、料理をする、掃除をする、本を読む、眠りにつく....音楽を聴きながらそうしたいと思う時がしばしばある。
寝る時にも音楽を聴いてみたい。寝室は、寝るという行為以外の機能を持たせていなかったので、起きている間は使用されず淋しい限りの状態が続いていた。
そこで、無印良品の「壁掛式CDプレーヤー」を購入することにした。最近では携帯電話を作ったり何かと話題のプロダクトデザイナー深澤直人がデザインした代物で、しかもお手頃価格ときている。そのリーズナブルさのおかげで、寝室で音楽を「聴きたい」から「聴かなければならない」に変わらずにいられる。価格も立派なステレオだと、元をとらなければと寝てる場合ではなくなってしまう。
価格もそうだけど、何よりデザインがスバラシイ。まるで換気扇のようなそのカタチがCDをかけるという感覚を忘れさせてくれる。そこにステレオがある、スタートボタンを押す、音楽が流れるという一連の流れが、音楽を「聴かなければならない」にしばしばする。換気扇のひもを引くことで再生スタート....無意識にできるこの動作が、寝室ではなおその緊張感を和らげてくれる。形状のせいで音質は多少犠牲にされていると言われるが、古い音源を聴く時など曲によってそのチープさが逆にいい感じである。
時と場合によっては、値段の高いもの、高品質なものが必ずしもいいモノとは限らないだろう。今回、寝室にはもってこいのものを手に入れることができたと思う。ただ、ドラえもんののび太くんぐらい寝つきのいい僕が、このCDプレーヤーを寝室で使うことでその機能性を満足に得られるかどうか少々疑問は残る。

| life | 2003年11月26日(水)

ゴミをひとつ拾うには勇気がいる。

text_Ken Ono

岡山県倉敷市には、マスカット球場というプロ野球の公式戦をしたり、最近では阪神タイガースが秋季キャンプをしたり、球場のまわりではテニスやジョギングができる運動公園がある。キレイに整備清掃されているので、ここでジョギングするととても気持ちイイ気分になれる。
ジョギングをしていると、空き缶が目の前にひとつ落ちていた。キレイなぶん、ゴミがひとつでも落ちていると逆に目立ってしまう。どうしても気になったので拾ってゴミ箱に捨てようとした。ところが思い当たるゴミ箱のある場所が今居る所からかなり遠いことに気付いた。いまさら捨て直すわけにもいかず、周りにゴミ箱があるかウロウロ探し、ようやく捨てることができた。
その空き缶を最初に捨てた人は、おそらくゴミ箱を探し出すことができず、思いあまってつい捨ててしまったのだろう。だって、かなりウロウロしたからね。ゴミ箱を至る所に置いていないマスカット球場が悪いとは言わないが、ただ、もっとたくさん置いて欲しいとは思う。
ゴミをひとつ拾うには、ゴミ箱を探す、さらにそこまでゴミを持っていくという二重三重の勇気を持たなくてはならない。だからこそ、世のなか気軽にゴミを捨てられる環境になればウレシイ。万が一、落ちているゴミが気になってしまい、拾って捨てたい衝動に駆られたとしても大丈夫なように。そうすれば、勇気を持たなくても、何の躊躇もなくゴミを拾って捨てることができるようになるかもしれない。もしかすると、ゴミを拾うことがステイタス、拾うことが当たり前、ポイ捨てならぬポイ拾いが流行る....なんてことも。それはないかぁ....。

| idea | 2003年11月19日(水)

日本人であることを再認識する。

text_Ken Ono

世の中には実に様々な色がある。目を突き刺すような鮮やかな色。心安らかにしてくれる淡い色。いろんな種類の色が同時にたくさん目に入ってきてとっても楽しい気持ちなることもある。
それなのに、なぜか白・黒・グレーが妙に気になる。限りなく感情を押し殺したような感覚にすらさせられるこれらの色がとっても気になるのである。グレーにいたっては、白黒ハッキリしろよグレー!....なんて思ってた時期もあった。モダンファイブについて考えたり、またTシャツ、ウェブ制作が進むにつれ、むしろ白・黒・グレーにこだわるようになっていた。
地域の掲示板に水墨画教室の案内が貼ってあった。筆で書かれた簡単なものだったが目についた。水墨画かぁ、おもしろそうだなぁ....そう思った時に気付いた。白・黒・グレー好きの原点はここにあったんだと。筆と墨だけで、しかも墨の濃淡だけで奥行きのある深い世界観の絵が描けるなんてスゴイしステキ。日本の文化が自分の気づかないところでしっかり根付いていることを再認識しました。