走り美 Quality Of Running
走り美 Quality Of Running

過去に参加したマラソン大会のレポート

2015年2月22日(日)

そうじゃ吉備路マラソン2015

フルマラソン男子B組の部
 記録 4時間48分06秒

3度目でフルマラソンが身近になった。

天気予報では雨。一週間前から変わらず雨。前日の夜からまんまと雨が降りはじめた。こんなにも予報通りとは、天気予報の精度がますますあがっている。うれしいような悲しいような。

朝起きても期待むなしく雨は降りつづいていた。大会当日に走ることが憂鬱になったのはこれがはじめてだ。さかのぼること3週間前、なんでもない動作、めがねケースをカバンのなかから取り出そうとしたとき、腰のあたりから経験したことのない音がした。

ドリューン、そう確かにあれはドリューンだった。ズーンと腰から下が重くなり、なんとか動ける、うんうん、これなら動ける。その一日は動けていたが、次の日からは横になって安静にしていた。これが世に言うギックリ腰かとようやく気づいた。

これまでギックリ腰には何度もなっていたつもりで、痛くても動けないことはなかった。あんな何気ない動作でこんなことになるなんて衝撃的であった。

思い起こせばこうなることは自然の成り行きだったのかもしれない。冬になり灯油缶を運ぶことが多くなった。わが家は灯油ストーブで暖をとっている。家のなかとはいえ何度も10何リットルを運んでいる。それを得意の右利き右腕にいつも頼っているものだから、腰の右側に負荷が大いにかかっているのはわかっていた。その予兆となる軽めの腰痛にも何度かおそわれていた。

本気で動けない、いや動く気すら起きない。体は戻るのだろうか。フルマラソンに影響はどうだろうか。ところでまず走れるのだろうか。歩くこともままならない。ただひたすら安静にして10日が過ぎ、なんとか再び走れるまでに至った。右腰に違和感はいまだ残るが走っているときに痛みはない。

図らずも左半身の躍動こそがこの大会のキーになると確信した。図らずもと言ったのには理由がある。走るだけでなく日常生活においても右利きゆえの右半身依存の体質。そこから脱却して左半身の躍動を得てさらなる進化を求めたいと模索していたのである。

意識的に左手を使うようたとえば箸を左手で持ったりをずいぶん前から取り組んでいた。しかし、ちょっと代わりに左手ではない飛躍的な左足、左半身の活躍なくしてフルマラソン完走は成し得ないと感じた。今思えば右腰を痛めたのはこの左半身を覚醒させるためのキッカケだったのではないだろうか。大会まで左足左腕をより前に、より力強く、意識的に取り組んだ。

そうじゃ吉備路マラソン2015 フォト1

大会前にグッと休んだおかげで体の張りや疲れをすっかりとることができた。体の状態は走り出すまでわからない。そして、前日から降り続く雨、かつてない憂鬱を抱えながらスタート地点に向かった。

いざスタートを迎えると雨はやみ曇りへと変わっていた。マラソン大会の気候としては決して悪くないものとなった。曇り空のおかげで寒さをそれほど感じることなく乾燥もしていない。むしろいいんじゃないかな。

8km地点を越えるとき、またここに到着するころはフラフラになってるのかな、チカラが残ってくれてたらいいななんて考えていた。MYドリンクで給水ポイントに頼ることなく水分補給ができるのだが、なぜか給水ポイントを迎えるころにはやはり補給したくなるもんで、ポイントはうまくできてるもんだとつくづく思う。それでも群がるひとを避け、自分のタイミング、自分のスペースを確保できるからナイスMYドリンク。

そうじゃ吉備路マラソン2015 フォト2

20km手前でスタート地点付近まで戻ってくる。このときはまだ元気だ。ワイフと友人からおにぎりを受け取り、今一度気持ちを入れ直す。やはり20kmを越えるガクンとパワーダウン、体が動かなくなる。それも想定の範囲内とはいえ、この壁を今後なんとか乗り越えていきたい。

フルマラソンにおいて、どの位置をどのぐらいの状態で今走れているのかわかっていることは3度目の挑戦の武器であった。人とは忘れやすい生き物で、フルマラソンがこんなにも過酷だったなんて一年経つとすっかり忘れているものだ。忘れなきゃできないか。

もう一度スタート地点に近づくと、なになに、同級生が前を走ってるとのこと。よおっし、追いついてやるぞと意気込むも追いつくことはなかった。その気持ちだけで元気になれる。同じ時、同じ距離を共有する、これがマラソンを走る喜びだろうか。

32km地点に到着。前回まではここで完全にガス欠。今年はまだ足が止まっていない。いけるぞ!? 一定のリズムで走り続けてきたが、ここからはそうはいかない。残り10キロをどう走り抜くか新たなチャレンジだ!

昨年のトボトボなんとか走ってる走法は最終手段として、今年はだんだんスピードを上げていっては疲れを感じたら止まるぐらいのペースダウンを、行けるとこまでいって足に張りを感じたら休ませる走法とした。走ってる感、進んでる感を得ながら、それでいて休息もとれる。

そうじゃ吉備路マラソン2015 フォト3

先輩・後輩みたいなひとたちが喋っていた。この位置で、このペース、4時間半だな、よしっ、いくぞ、ついてこいっ、みたいなことを。ふーん、4時間半かぁ、いいなぁ、それ。思わずその声のほうに向くと、先輩らしきひとの背筋がやたらピンとしていた。えっ、もしかして、ピンとしたほうがいいの!?

思い立ったら吉日、良いと思ったら即導入ということで背筋ピン走法を試してみた。あれっ、あんまり足に疲れがたまらない気がする、これはイイ。それから先輩を見ることはもうなかったので、4時間半を超えることはうすうす感じていた。

残り2キロがこれまた遠い。が、ここからはなぜか休まず進むことができる。ゴールが近くなったということもあるが、やはり何にせよ気持ち次第ということだろうか。応援にきてくれたみんなにも、今年はゴールまで走り続けた感が伝わったんじゃないかな。