2019年11月10日(日)
おかやまマラソン2019
- フルマラソンの部
- 記録 5時間08分24秒
あれから1年
時を経て
ゴールできたことに
走ることができたことに
ありがとう
2020年秋、いま思い起こせばマラソン大会が普通にできていたことが奇跡に思える。
はじめての岡山マラソンをなかなかいい感じの完走で終え、十分に休養して明けて2020年、吉備路マラソンに向けて走りはじめた。
今年は岡山マラソン走ったしハーフマラソンにしとこう、少しずつ気持ちを上げていこうとしていた矢先、いまだ流行まっただ中の新型コロナが感染拡大を始めた。
2月、吉備路マラソン開催の是非が大きく議論を呼び、当時市長は断腸の思いで中止を決定した。半年を過ぎると疑問にすら感じることもなくマラソン大会は開催されなくなったが...
明けない夜はない。
マスクを着けない日常を、誰もがスタートでひとつになれるマラソン大会を、待ち遠しく思う。
さて、あらためてはじめての岡山マラソンを振り返ってみたい。マラソンは前日から始まっていた。
大会参加には公共交通機関を使って現地入りが必須であった。もちろん車でワイフに送ってもらうことも考えられるが、これまで 走り美 として日々研鑽していた名が廃るというもの。
とは言うものの今まで何不自由なく現地入りしていた僕にとってこのハードルは大きかった。当日と同じ感覚を得るべく電車で岡山駅へと向かった。
乗り合わせた電車のタイミングが悪かったのかみるみるうちに満員電車と化していった。その棒立ち状態に脚が固まっていく。満員電車なんて何年振りだろう。慣れたくはないがすっかり忘れている。
脚パンッパン。これで走れるのってホント不安になってきた。駅からはスタジアムまでもちろん歩いて行き、どれぐらいかかるのかと体で覚える。けっこう遠いのね。到着する頃には軽くウォーミングアップというレベルじゃなく結構な疲労感。
少しばかり辺りを散策してスタート前のトイレはどれにしましょうかとトイレの位置を確認した。参加人数も人数だからトイレ行列に巻き込まれたらマラソンどころじゃないしね。
なんてことしながら荷物も担いで帰りも歩いて岡山駅まで戻るとぐったり。ひと通り終えて、前日にこんなことするもんじゃないという結論に至った。やめましょう、無駄に疲弊します。
さて、当日は電車で岡山駅へと向かう。十分に余裕を持って早めにと思ったら駅はもうすでにランナーらしき人混み。座るつもりもないけど車両のなかもランナーだらけ。みんな早いのね。
ひとりで行くとどこで着替えをしたもんだと悩む。入口出口、荷物の預け場所も決まってるし。前日確認したトイレはもうすでに先約済みのご様子。
スタート前のトイレ問題は僕にとっては一大事。焦る気持ち、足早に移動する。もうこうなったら逆にスタート地点に行ってやれ!
これが功を奏してすぐに使用でき事なきを得た。爽快に立ち去りふと振り返るとそこはもう行列!ふたたびこの地を踏む機会があるなら、まずはスタート地点に向かえ!と心に留めておく。
さて、ようやくスタート。
スタートしてしまえば後は野となれ山となれ。日々のランニングや準備を含めて走りはじめるまでがすべてで始まってしまえばそれまでのことをすべて忘れてシンプルにいける。
さすが大きな大会だけあって、いざスタートまでが長い。大会関係者に有名人と変わるがわる登壇してこれでもかと盛り上げる。なるべく体を冷やさないようにと着ていたウィンドブレーカーの脱ぎ時がわからない。
スタート。
前日から何度も歩いて見慣れた風景をまずは通り過ぎた。
自分のペースで進む集団に落ち着くころ、ここからしばらく帯同することになるウォーリーが近くを走っていた。あの「ウォーリーをさがせ」のウォーリーに扮したランナーがいたのだ。
なにより驚いたのがウォーリー人気いまだ健在ということだ。沿道の応援からウォーリー、ウォーリーの声。これほど見つけやすく愛される存在とは!
もしコスプレでマラソン走るとしたらウォーリーだなと心に刻まれた瞬間であった。しかしここまで応援してもらえるとは。もはや嫉妬に似た感情が生まれたことを否定できなかった。
やや長めの序盤戦、とりあえずトイレに行っておこうかと思ったところ岡山市役所に到着した。なんとなく心に残る建物ではあったがここも建て替えなんですね。最後にマラソンでトイレ、お世話になりました。
市街地を出ると岡山平野なんだなって思うほどの平地が広がる。ここからが長い。また街に戻るまでの長いこと。平野だから景色を楽しむってのもなかなか難しい。
心折れそうにもなるがここが岡山マラソンの良いところ!沿道の応援が途切れることがなかった!
僕は都市のメジャーなマラソンに参加したことがないのでこれには驚いた。みんなが大きな大会に出たくなるのもわかる気がする。
南へ南へゴーサウス。集団が緩み、最初の折り返し地点に向かう。前方集団と橋と橋ですれ違う。向こうの橋にはすぐ行けるのだろうか。淡い期待で進む。
向こうの橋に戻って来た時ハプニングが起きた。左脚の膝がガクーってなった。通常曲がる方向ではないほうにガクーってなった。
重心が上がって地に足がついてなかった。
ヤバっ
10キロ超でこの脚の状態、足は動くように戻るのか、正直震えた。ここにきて前哨戦と捉えて臨んだ10月の蒜山高原マラソンの疲労が出てきたか。
ハーフマラソン走ってからのフルマラソン、そんな調整の仕方したことなかったけど、そうでもしないと岡山マラソンは到底走れないと考えていた。
そうだ!腰が落ちてなかったんだ!重心が上がってたんだと思い直しペースダウン。脚が戻るまでゆっくり進んだ。戻ってくる保証はなかったが。
しばらくすると持ち直しホッとした。ここからが長い!平坦で景色の変わらないロード。11月でも暑い。沿道の有志の方がエアサロンパスを渡してくれる。これに何度お世話になったことか。これがないと乗り切れなかったと言っても過言ではない。
自分で自分を褒めてあげたいの有森裕子さんが前に走っていた。ランナーに声をかけながら走っている。さすがです!元気になります!お先に失礼します!
かの有森さんがどんどん遠くなっていく。声掛けのためにあえてスローペースにしてらっしゃるのだろう。さすがです!
後日談で途中リタイアされたと知った。だよね。なんかしんどそうだったよね。やっぱり暑かったんだと確信した。あえてリタイア、さすがです!
暑い。暑くってバテバテ。岡南大橋に差し掛かる頃、もはや脚は動いてなかった。川の上で風はあるし、Rになった登りがまたキツイ。
それを終えての給水コーナー名物!ラーメン選び放題!の行列に並んでまで食べる元気はなかった。つくづく思う、フルマラソンでラーメン食べれるような屈強な男になりたいと。
ここまで来ると残り10キロ余り、自分を騙しだまし前に進む。走っては止まり、うなだれるようにストレッチを繰り返す。あと10キロ走れるだろうか、そんな不安が脳裏をよぎる。
こういう時に応援って響くんですよね。ここでファミリーの応援が待っていた。川沿いを進みもうすぐ街が見えてくる。ここでスタンバってるんだったらもうちょっと張り切って来ればよかった。お待たせしました!
あぁ、帰ってきたんだ。変化する景色が気分を盛り上げてくれる。体のほうは依然ギリギリの状態。さぁ、5時間を切って4時間台といきますか。
車でしか通ったことのない道路を走るというのは爽快で楽しい。スタジアムまであと少し、頑張れそうでももう頑張らない。もうあとははじめての岡山マラソンを味わおうと思った。
スタジアムに入ると5時間をちょい過ぎたぐらい。5時間を切ることを目指して走ってきて、足痛めたとか、やたら暑いとかいろいろあってなかなか良いと思えた。
また走ってみたいな。
2021年、今年はあるのかな?